101年続く女性の花園、宝塚歌劇。未婚の女性のみで演じられる、世界的にも唯一無二の舞台…ですが、実は過去に1度だけ男性団員が存在していたことをご存知ですか?
その名も、「宝塚歌劇男子部」。先日、元雪組娘役トップスター 愛加あゆさんが「林先生が驚く 初耳学!」に出演し、この事実を発表。林先生だけでなく、驚いた人も多いのでは?
(出典:Twitter)
ということで今回は、宝塚歌劇団、幻の男性団員について詳しく調べてみました。
幻に消えた…宝塚歌劇団男子部とは?
宝塚歌劇団は、1914年に小林一三先生の手によって構想され、生み出されました。一三先生は、当初から宝塚歌劇団を「国民劇」という位置づけで考えており、宝塚歌劇に男性を加入させようと考えていました。男子部員の加入チャンスは、2度あります。
まず、1919年。国民劇創設のため作った「男子養成会」の創設メンバーとして8名の男子生徒が入学するものの、10ヶ月で解散しています。この中には、後に演出家として活躍し、「レビューの王様」と呼ばれた白井鐵造先生も含まれています。
そして、第二次世界大戦を経て1945年11月に再び特設された男子部に、公募により男子生徒が入学し、3年にわたるレッスンの上でデビューを目指すことになります。第一期性から第4期生まで、計25名が入学しますが、女子劇団員やファンの反対が多く、影コーラスや馬の足としてなどの参加のみで、舞台に立つことはありませんでした(1947年に、女子団員と共演して宝塚中劇場にてオペレッタ「さらば青春」の上演はあり)。
1951年に上演された「虞美人」が大成功したことにより、小林一三先生は女性だけの宝塚歌劇にすることを再び決定し、この男子部は1954年3月を持って解散しました。ほぼ表舞台へは出なかったため、男子部員の存在は幻の存在となっています。
宝塚歌劇男子部の団員のその後
白井鐵造先生のように宝塚歌劇団の演出家として活躍したり、他の劇団で演出家になったり、宝塚新芸座へ専属座員へ移籍して、演劇活動を続けたり、北の劇場ダンシングチーム専属になるなど、舞台に関わる道を選ぶ生徒もいました。
しかし、芸能界から引退し、宝塚にいた頃のことは明かさなかった人も多いです。