宝塚歌劇場において他に類を見ない、12年間という長期間にわたってトップ娘役を務めた”女帝”、花總まりさん。来年、初舞台から25年、退団から10年という節目を迎え、初のソロコンサートを開催することも決まっています。
▶宝塚の誇る女帝、花總まり初のソロコンサート2016年2月開催
お花様が宝塚に残した影響は多く、今でもたくさんの娘役の憧れの存在として、その舞台姿が語り継がれています。今回は、花總まりさんが宝塚で出演した作品の中でも、特に印象的な作品を5つご紹介します。
花總まり出演作品5位:「満天星大夜總会」(2003年・宙組)
(出典:Twitter)
ショー「満天星大夜總会」。この作品は、なんといっても花總まりさん演じるアイドル「HANACHANG」のキュートさ!この場面はタカラジェンヌも「好きな場面」「好きな作品」として挙げることが多いような気がします。
アイドル衣装を着こなすHANACHANG。かっこいい男役たちを虜にするHANACHANG。あの衣装、女の子なら誰でも憧れてしまうと思います。いま見ても、全く古臭くなく、新しいアイドル像として見惚れてしまうHANACHANGは、定期的に見返したくなる名場面です。
花總まり出演作品4位:「虹のナターシャ」(1996年雪組)
作品…としては「かなり名作!」といえるものではないかもしれませんが、宝塚のヒロインらしくない、ナターシャという役が多くの人の心をとらえた作品です。
轟悠さんの学生服姿もかなり印象深いですが、やはりナターシャという蓮っ葉なヒロインを、嫌味なく、キュートに演じることが出来るのは花總まりさんならではといえると思います。
いわゆる「漫画チック」な言い回しが多い作品ではありますが、全く不自然ではないんですよね。筆者は、この作品を見てから「花總まりさんではいからさんが通るを見たい」と思い続けています。
花總まり出演作品3位:「仮面のロマネスク」(1997年雪組)
(出典:Twitter)
雪組トップスター・高嶺ふぶきさんとの恋の駆け引きがスリリングな「仮面のロマネスク」。
メルトゥイユ夫人は、いわゆるヒロインという役どころではなく、いわば「もう一人の主人公」。凄みのある演技が印象的でした。バチバチと恋の火花を散らしていた二人が、最後革命の中で二人だけの舞踏会を行うシーンが非常に素敵な作品です。2012年に宙組が再演。また、役者が揃った時に再演して欲しいですね。
花總まり出演作品2位:「激情-ホセとカルメン-」(1999年宙組)
(出典:Twitter)
オペラ「カルメン」を下敷きにしたミュージカル。芸術祭優秀作品賞も受賞した名作です。
謝珠栄先生の振付もダイナミックで、花總まりさんのカルメンは、「カルメンが憑依している」ような演技が印象的でした。
こういった、孤独で、高貴で、強くて、美しくて、男性を翻弄する…そんな役柄をトップ娘役がする、というのも斬新ですよね。まさに、お花様が「もう一人のトップスター」だからこそ生まれた名作です。
この作品は、月組が全国ツアー公演として 珠城りょう・愛希れいか主演で上演予定。一体どんなホセとカルメンになるのか、楽しみですね。