11月15日に初日を迎えた宝塚歌劇月組公演「舞音(MANON)」。
戦乱の足音が聴こえつつあるインドシナを舞台に、主人公シャルルとマノンふたりの愛を利用しようとするもの、そして見守ろうとするもの。様々な人間関係が錯綜するストーリーです。
なかでも主人公の恋人たちに関わる重要な人物ふたりを紹介し、物語での位置づけをみていきます。
Musical「舞音-MANON-」~アベ・プレヴォ「マノン・レスコー」より~
脚本・演出/植田 景子
作曲/Joy Son
グランドカーニバル「GOLDEN JAZZ」
作・演出/稲葉 太地
2015年11月13日(金)~12月14日(月) 宝塚大劇場
ふたりの相反する人物が「舞音(MANON)」を支える
(出典:Twitter)
龍真咲さんが演じる主人公フランス青年将校シャルルは、インドシナの踊り子愛希れいかさん演じるマノンと恋に落ちます。
何度もマノンに「愛している」と叫ぶシャルル、しかしその愛をお互い以外で本当にわかってくれるひとはいません。
彼らの愛は孤独だからこそ、なによりもピュアなものとして進化していくのです。
「舞音(MANON)」の示す愛の形
(出典:Twitter)
まず凪七 瑠海 さん演じるクリストフ・モラン。
”海軍士官学校時代からのシャルルの親友”と公式で紹介されています。
シャルルを見守り、彼の行く末を見届ける狂言回しの役割といえるかもしれません。
「どうしてすべてを捨ててまで、愛するのか?」という一番素朴な疑問を抱く、観客の代弁者ともなるクリストフは、確かに「善」なる存在ではありますが、常人は「愛」にそこまで自由にはのめりこめないという現実をみせつける人物でもあります。