東京での公演を終えて、今度は大阪、福岡、松本へと劇場を移してますます盛り上がりをみせる漂流劇「ひょっこりひょうたん島」。
テレビシリーズの演出が複数の演出家をによるもので、単純な話があったり反対にシュールなものもあったり大きないわば共同作品であるのに対して、この舞台版はひとりの演出家、「上海バンスキング」「もっと泣いてよフラッパー」の串田和美に託してのもの。その原作にもあったシュールな部分をパワーアップさせた演出には、実は賛否が分かれています。
どんな展開が「漂流劇 ひょっこりひょうたん島」にはあるのか?改めてその理由を探っていきます。
ワークショップ形式が実を結んだ「漂流劇 ひょっこりひょうたん島」
(出典:Twitter)
ワークショップとは、舞台にキャストが取り組むにあたりその作品を根底から知るために問題解決やトレーニングを行る手法のひとつです。
今回この「漂流劇~」には、稽古の初期からこのワークショップが多く取り入れられました。
参加者が自発的に「ひょっこりひょうたん島」を身に染みて知ることで、そこからどんな突飛な表現やが出てこようと、世界観が壊れないような仕組みつくりが出来上がったのです。
これは観客の思惑を外れた話にあえてするための準備ともいえますね。
ミュージカルではまずないやり方だと思いますし。元々、ワークショップというものがあまり得意ではなく、出来れば避けて通りたいくらいなのですが(笑)、そうも言っていられませんので、稽古場でいろいろ吸収出来ればと。特に今回は「こういう演劇の作り方もあるんだ!」と、
(引用元 : エンタステージ )
10以上のエピソードから成り立つ「漂流劇 ひょっこりひょうたん島」
「漂流劇ひょっこりひょうたん島」の舞台には円形があり、それが回り登場人物が動き出します。次々と話が切り替わっていき、なんと10以上の趣の異なったエピソードがつめこまれている内容。
知るひと知らないひとに関わらず誘われるのは、漂流劇という名の通り、ふわふわした観客がどうとらえようと自由な空間であり、その自由を好きか嫌いかはやはりわたしたち客席の人間にゆだねられているのです。
その自由で捉えどころのなさはそのまま目的地のないまま移動するひょっこりひょうたん島のシチュエーションに重なります。「ひょっこりひょうたん島」というおなじみの出発点から見知らぬ世界へ旅立つためのオムニバス形式といえます。