宝塚歌劇宙組公演「Shakespeare(シェイクスピア) ~空に満つるは、尽きせぬ言の葉~」。
お正月公演として始まった本作は、謎多き劇作家・シェイクスピアを、彼が生み出した作品と重ね合わせる形で描き出したミュージカル作品。「ロミオとジュリエット」といった名作が劇中劇として組み込まれる演出、シェイクスピアの流れるような美しい言の葉、最後には「愛」について考えさせられる宝塚にふさわしい舞台でした。
今回は、シェイクスピアの中でも、舞台をお芝居の上でぐっと引き締めてくれていた3人の生徒に焦点を当てて紹介します。
(出典:Twitter)
宙組公演に初参加!宝塚きってのシェイクスピア役者・沙央くらま
今回、宙組公演に初参加となった専科の沙央くらまさん。シェイクスピアの作品の殆どを初演したと言われる役者・リチャードを演じます。
シェイクスピア作品特有の美しく、難しい台詞が、コマさんの口を通ると胸にすぅっと染みてくるから不思議。
芸名もシェイクスピアが由来
沙央くらまさんの「沙央」はシェイクスピアの和名「沙翁」から来ていることはファンの間では有名な話。ご両親がシェークスピア・シアターに在籍していたこともあるそうで、そんなコマさんがシェイクスピアの第一の役者を演じるのはもはや必然です。
ちなみに、沙央くらまさんの名付け親である英文学者の小田島雄志さんは、パンフレットにもご寄稿されているので必見ですよ。
シェイクスピア説得場面の存在感
(出典:Twitter)
また、コマさん演じるリチャードは、単に役者としてだけではなく、一度は自分を見失ったシェイクスピアの復活を後押しするという大きな役割を担っています。
この辺りのカリスマ性、説得力ある演技は専科ならではと言えるでしょう。宙組は全体的に若い生徒が多いため、コマさんの演技が組子に与える影響は大きいはずです。
沙央さんの芸名が「シェイクスピア」に由来すると聞いて感動が更に深まり。コマちゃんのお芝居、心に沁みました。とても良かったです。懐の大きいオトコが似合いますね。 pic.twitter.com/b9PVfWSfC6
— アリス (@Alicefmssc10) 2016, 1月 14
コマさん、すごいイイ役!コマさんがシェイクスピアに語りかけて鼓舞するシーンがあるんだけど、コマさんが自分のルーツと向き合って、いまの自分を思いっきり胸をはって見せつけるみたいなすごーく心動かされる芝居をしていて、もう涙がとまらなくなった。早霧さんにもはやく観てほしい。
— 武藤美登利 (@mutomidori) 2016, 1月 8
元男役・宙組純矢ちとせの個性が光るシェイクスピア
この物語の時代、女性は役者になることが出来ませんでした。そのため、女性役は小柄な男性が演じていたようです。宝塚で演じるにあたっては「女性であるタカラジェンヌが、男性として女役を演じる」という難役です。
その1人、ヘンリーを活き活きと演じたのが、純矢ちとせさん。
元男役のキャリアが生きる!
(出典:Twitter)
純矢ちとせさん演じるヘンリーは、元男役というキャリアを逆手に取った、見事な演技でした!
まず、最初の男役姿に違和感ゼロ。声も少年らしくやや低く作っています。そしてナンバー中で歌いながらジュリエットの衣装に生着替え!舞台の上では可憐なジュリエットに変身です。
舞台から降りたあとは、女役の衣装であろうとも歩き方・振る舞い全てが男性そのもの。そのちぐはぐさの演技まで含めて、純矢ちとせさんならではの役でした。
#宙組
純矢ちとせ無双理解w
芸達者せーこに英国逸翁期の少年役者を演じさせるとかどんな卑怯(黙)飛び道具もとい適材適所…!
娘役が割を食う演目のなか独壇場すぎてww
和希そらのタイテーニアも宝塚男役が演じる少年役者の扮する女形というトリックがちゃんと活きてる。
#シェイクスピア
— 纏 (@stage0910) 2016, 1月 10
お芝居ではせーこさまが男役を演じているので必見です。かと思ったら劇中劇では娘役で登場します。モーツァルトもびっくりの演出だよ!(シェイクスピアの時代は歌舞伎みたいに男性しか舞台に立てなかったかららしい)女装も多くて追い付かないかと思ったよ!そらくんきれいだったよ!
— 保土ヶ谷でま (@dkomme) 2016, 1月 7
ショーでは、ショートカットの髪の毛をキレイに結いて素敵なお姉さんとして歌い・踊っていましたから、その振り幅の広さに驚くばかりです…。
他にも見逃せない女役を演じる一座の俳優
純矢ちとせさん以外にも、「真夏の夜の夢」場面にて和希そらさんが女性役。「女を演じるのが気に食わない」という雰囲気がにじみ出ていて、こちらも公演でした。
また、ラストのお芝居の中では、なんとあの人も女装しますよ…!
妖艶!シェイクスピアのパトロン真風涼帆の「最高の妻」を演じる伶美うらら
最後に取り上げたいのが、シェイクスピアのパトロンとして影で操ろうとするジョージ役・真風涼帆さんの妻を演じる伶美うららさんです。
(出典:Twitter)
まず、圧倒的な美貌!まかうららの並びは、少女漫画から抜け出たようでずっと眺めていられます。そして、何より言葉に重みがある!マクベス夫人のように野心に満ちた強い女性を見事に演じていました。真風さん、尻に敷かれてそう…。
数々のヒロイン、そして「王家に捧ぐ歌」でのアムネリス役を通じての成長がひしひしと感じられます。
宙組 シェイクスピア
うららちゃんが美しかった髪型、髪飾り、アクセ素晴らしい!顔が面長だから娘役として気をつけて装飾してるのがわかる。逆に武器に出来てたなぁひときわ目を引く美しさでした真風氏と夫婦役合うねぇ!うらら嬢の尻に敷かれてる真風氏堪らんよね。
— 晴天 (@kumnomii) 2016, 1月 10
【1/17 宙シェイクスピア ソワレ】うららの芝居の色を変える台詞使いや口の端の動き、優雅さ。どれだけ背が高くても、あの娘役スキルと芝居力をもってしたら、ベス、貴方のために世界を膝まづかせたい。
— まめちよ (@mamechiyo12) 2016, 1月 17
また、最後のお芝居のシーンでは真風涼帆さん・伶美うららさんご夫婦が大きな笑いを生むので、目が離せません。生田先生、あの演出はずるいです…。
その他にも若手の活躍が目立つ宙組「シェイクスピア」
上述の3人以外にも、一人ひとりに役が与えられ、組子みんなが輝いていました。本当に、生徒一人ひとりにあった役を作ってくださる生田先生には感謝です。
中でも、シェイクスピアの父を悲哀を込めて演じた松風輝さん、一座のお父さんとしての愛らしい演技が光った風馬翔さん、開始約1時間後に登場し、専科ばりの重みある芝居を成し遂げた凛城きらさんなど、演技派の中堅男役の活躍が目立ちました。
他にも、ダークレイディ役を妖艶に演じた星風まどかちゃん、可愛すぎるハムネットで劇場を泣かせた遥羽ららさんなど、娘役もキラリと光ります。
何度見ても新たな発見がある名作「シェイクスピア」。お芝居だけで満足感が高いのに、客席下りもあるダイスケショー「HOT EYES!!」まであるので、これは通ってしまうこと間違い無しの演目です。
初日から公演を重ねるごとに、お芝居が深まっていることもあり、これから大千秋楽に向けての深化にも注目です。
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シェイクスピアは宙組子の魅力が詰まったハートフルな舞台!
(出典:Twitter)
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