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『羽根の重さはトップスターとしての責任の重さ』宝塚歌劇団を象徴するもののひとつ“背負い羽根“を徹底解剖!!

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宝塚歌劇団の象徴のひとつ“羽根”

多くのファンを魅了し続け100年を超える歴史を持つ宝塚歌劇団。

これぞ宝塚歌劇!と宝塚歌劇団の象徴的なもののひとつ。それが“羽根”ではないでしょうか?初めて宝塚を観劇した時、キラキラな衣装に大きな羽根を背負って大階段を降りてくるトップスターに感動したという方も多いと思います。

そこで今回は宝塚歌劇団の“羽根”についてご紹介したいと思います。羽根の仕組みや作り方などを知ることで、より宝塚に対する興味が深まること間違いなしでしょう。

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宝塚歌劇団で羽根を背負う意味

トップスターとしての責任感

宝塚の羽根といえば、フィナーレで大階段を降りてくる時に背負っている背負い羽根のことを言います。特に大羽根といわれるトップスターが背負う羽根はその大きさや華やかさに圧倒してしまいますよね。

近年ではトップスターにのみナイアガラと呼ばれる尻尾のような羽根がつくことが定番となっていますが、その重さはなんと10キロ以上高さ2メートルもあります。

トップスター就任後のインタビューなどで『羽根の重さはどうですか?』という質問の答えに良く聞く言葉として『羽根の重さは責任の重さ』というものがありますが、羽根を背負うことは組を引っ張っていくトップスターとしての責任感という華やかな見た目以上の意味を持っているのです。

羽根さばきも人それぞれ

また、銀橋に出る時やお辞儀をする時など…トップスターそれぞれ個性ある羽根さばきを見るのもファンにとっては楽しみのひとつですよね。重い羽根は歩くとさらに風圧で大変だと言われていますが、バサァ!と勢いよく羽根をさばくのに憧れていた、というトップスターさんも多いようです。

番手を示す意味

トップスターを頂点とするピラミッド型になっている宝塚歌劇団。パンフレットの写真の大きさや衣装の豪華さで番手が一目瞭然で分かるようになっているのですが近年では羽根の大きさも番手を示す意味をもっています。

トップスターやトップ娘役は羽根を背負うことが定番になっていますが、新しく組の編成が変わる時に二番手男役スターが大羽根を背負うかどうか…というのが必ず話題になります。

二番手の男役の羽根の大きさはほぼトップ娘役と同じサイズ感ですが、この大羽根を背負うことで組の正式な二番手なのかどうか、という目安になるのです。二番手をひとりに決めれない時は二人で二番手羽根を背負う時もあれば、二番手羽根なしの時もあります。

羽根によって一喜一憂するのもファンならでは。

宝塚歌劇団の羽根の仕組みってどうなってるの?

気になる重さ

トップスターの背負う羽根の重さはデザインによって違いますが平均10キロだと言われています。高さは2メートル。歩くと風圧でさらに重く感じます。ショーのフィナーレで最後だから出来るけど中詰めだと無理かもしれない…と語るタカラジェンヌもいます。

作り方

宝塚の羽根は主にダチョウの羽を使用して作られています。デザインや色は公演ごとイメージに合わせたものになっており、トップクラスには雉の羽根がアクセントになったものも。

トップスターの羽根は二色使いのものが多く、二番手男役は一色のシンプルなものが多い印象です。

作り方の細かい仕組みは分かりませんが宝塚のお衣装部さんの手によって一度使ったものも形を変えたり色を染めたりリメイクして使われています。

背負い方

羽根の背負い方は娘役を見ると分かるように紐が付いており肩に引っ掛けて背負うようになっています。男役の場合はジャケットと一体型になっており羽根つきのジャケットごと着るようになっています。

昔は、ランドセルのように両肩に掛けるという形でしたが、それだと見た目が美しくないので、現在はワイヤーを使って衣装に付けてます。

(出典:all about

 

宝塚歌劇団の羽根の歴史とは?

いつから?

海外のレビューをお手本に公演されていた宝塚では随分古くから羽根扇や頭の羽根飾りなどが登場していました。しかし男役が羽根を背負う、という歴史は1970年代から始まったと言われています。

最初にフィナーレでトップスターの背中に羽根が認識できたのが、1973年1月「パレードタカラヅカ」の甲にしき。でも今からみればすごく地味。

(出典:ビンテージ・タカラヅカ

羽根を背負い始めたころは今と比べると小さめで、ショーの中詰めで背負うこともあったようです。鳳蘭さんや汀夏子さんの時代には徐々に大きくなり少しづつ今のような形になってきました。

近年はショーでは必ずトップスター、トップ娘役、二番手男役が大羽根を背負うというのが定番になっていますが1990年頃までは羽根を背負うのはトップスターのみ、という公演やトップスターも公演によっては羽根を背負わない…ということも多々ありました。

また上級生の娘役のみナイアガラ付きの小さめの羽根を背負っている公演もあったり、羽根が好きではない…という理由であまり背負わなかったトップスターもいたり様々です。

ちょっとずつ大きく豪華になっていく背負い羽根。タカラジェンヌの背も昔に比べると徐々に大きくなっている、というのも影響があるのかもしれませんね。

羽根を背負わない公演もある

現在、小劇場作品以外のショーのフィナーレでは必ず背負う羽根ですが、一本物のお芝居や和物など、演目によって背負わない公演があります。

その代表が「ベルサイユのばら」「ミーアンドマイガール」「風と共に去りぬ」です。「ベルサイユのばら」は羽根ではなくマントを付けています。「ミーアンドマイガール」や「風と共に去りぬ」は役柄的に羽根は合わないからというのが理由でしょう。

ただ一本もののでも「エリザベート」や「ファントム」「ロミオとジュリエット」「スカーレットピンパ―ネル」「1789」などは羽根を背負っています。

羽根のデザインいろいろ

同じ演目でも再演時には全く違う羽根になっていることがあります。その代表が「エリザベート」。

再演以降トートは黒系のダークな羽根を背負っていますが、初演の一路真輝さんの羽根は天使のような少し変わったデザインが印象的でした。話題作「エリザベート」のトート役は再演されるたび毎回どんなビジュアルになるのか注目されますよね。

麻路さきさんのトートは丸型ではない黒一色の羽根でしたし、水夏希さんのトートの羽根もいつもと違うデザインで話題になりました。

他にも「TAKARAZUKA花詩集100!!」ではトップスター以外の背負い羽根がアシンメトリーで少し変わったデザインでした。時代によっては娘役トップもナイアガラ付きの羽根を背負っていることもあったり…と流行や、演目のイメージにあった背負い羽根を見れるのはとても興味深いですよね。

宝塚歌劇団の公演の華やかさを演出する“羽根”に注目!

(出典:photoAC

豪華な舞台に華やな衣装が魅力の宝塚歌劇団。現実離れした舞台を作る重要アイテムである“羽根”についてご紹介しました。

羽根の歴史や背負い方、仕組みなどを知ることでより興味が深まりますよね。大羽根はトップスターにしか背負えない特別な物。まるでタカラジェンヌのオーラを具現化したような羽根は宝塚歌劇団を象徴するもののひとつです。

演目ごとに違う羽根のデザインに今後も期待して舞台観劇を楽しみましょう♪

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