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宝塚ファンにとっては、賛否どちら?中山可穂 小説「男役」

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宝塚歌劇を題材にした中山可穂の小説「男役」が2015年3月に、出版されておよそ5か月。

これまでコアな題材に取り組んできたこのファンとそして宝塚をよく知らない層、両方の側面からこの小説を解説していきます。

宝塚歌劇が題材、小説「男役」の作家中山可穂はどんな人?

小説「男役」
(出典:Amazon)

作家、中山可穂先生といえばこれまで、同性愛を主軸に置いて人間の魂の彷徨、そして痛々しいまでに鮮烈なまでの愛を貫くストーリーを紡ぎだしてきた方です。

今回「宝塚歌劇」が小説の題材に選ばれた理由として、「秘めたる思い」という類似性があったからかもしれません。

まだまだ馴染みのない人達には、「宝塚歌劇」という世界は秘密の場所という認識が残っていて、そのために今回上梓された「男役」は、他にない恋愛モノとして成立しているともいえます。

トップになって二日目に舞台事故で亡くなった50年前の伝説の男役スター・扇乙矢。以後、大劇場の奈落に棲みつく宝塚の守護神ファントムさんとして語り継がれてきた。大劇場では月組トップスター如月すみれのサヨナラ公演の幕が開き、その新人公演の主役に大抜擢された永遠ひかるの前にあらわれた奇跡とは―。男役という稀有な芸への熱いオマージュを込めて中山可穂が情感豊かに描く、悲しく切ない恋愛幻想譚。
(引用:Amazon)

宝塚歌劇を描いた小説「男役」のストーリー

スポットライト
(出典:ぱくたそ)

物語の主人公は劇団に入って3年目の新人、月組の永遠ひかる

彼女が所属する組のトップスターサヨナラ公演で、新人公演主演に抜擢されるところからはじまります。そのトップスター如月すみれを陰から助けてくれているのが50年前の舞台事故でトップ就任後たったの2日で死んでしまった男役・扇乙矢の亡霊ファントムさん。

すみれのこともひかるのことも、舞台上から助けるファントムさんですが、それにはひかるの祖母だったファントムさんの相手役への切ない愛情が残っていて…という筋立てです。

小説「男役」、宝塚歌劇を深く知るきっかけに

宝塚ファンにはネーミングに色々突っ込みたくなったり、劇団内恋愛などちょっと設定に抗議したくなったりと複雑な要素もはらんでいる「男役」ですが、演劇の世界に渦巻く愛憎を赤裸々に描いたあらすじは、彼女のデビュー作となる「猫背の王子」にむしろ近いといえます。

元々中山先生は、中学生の頃から宝塚に親しんでいたこともあり、男役という世界でも稀有な存在を一般に知らしめるという役割も果たしていて小説「男役」はむしろ宝塚未見の読者にはおおむね好評を得ているようです。


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