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史上2番目の早さでトップに!珠城りょうさんのプロフィールとその魅力

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珠城りょうさんの基本プロフィールをおさらい

現在、お披露目公演の『グランドホテル』/『カルーセル輪舞曲』が絶賛公演中の珠城りょうさん。

新生月組を創っていく若いトップさんとして現在奮闘中の珠城りょうさんですが、元星組トップスターの柚希礼音さんのように『鳴り物入りで入団してきた大型新人』というタイプではなかったのに、研9という異例の早さでトップの座を掴みました。

宝塚ファンにとってみれば、実力・人気がまだ発展途上と思われていた珠城さんがこの早さでトップになったのは本当に驚きでしたが、劇団が珠城りょうさんに今の月組を背負ってもらおうと決断した理由を今回はひとつひとつ探ってみたいと思います。

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珠城りょうさんのプロフィール


  • 出身地:愛知県蒲郡市
  • 身長:172cm
  • 血液型:B型
  • 初舞台:『ME AND MY GIRL』(2008年)(94期生)
  • 入団のきっかけ:中学生のときに『長い春の果てに』を観劇、受験を決め、合格。
  • 新人公演初主演:『スカーレット・ピンパーネル』
  • バウホール公演初主演:『月雲(つきぐも)の皇子(みこ)-衣通姫(そとおりひめ)伝説より-』

月組はイレギュラー人事の連続

月組といえばファンを驚かせるトリッキーな人事を行う組ですが、珠城りょうさんについても研9でのトップ就任という、天海祐希さん以来のスピード出世を発表してまたファンを驚かせました。

これまでに行ってきたイレギュラーな人事

宝塚歌劇団が創設されて103年が経ちましたが、その長い歴史の中ではこれまでにいろいろな人事が行われました。トップスターが複数いたり、トップ娘役が不在だったり。

その時代に最も輝けるスターを見出し、質のいい舞台を創作するためには同じやり方ばかりを続けていては、宝塚歌劇団の発展はありませんでした。

しかし、トップ、2番手、3番手というピラミッド構造がはっきりしている宝塚歌劇において、各ファンにとってみれば順当に進まないイレギュラーな人事はなかなか心臓に悪いもの。特に月組はイレギュラー人事が行われることが多く、ハラハラさせられっぱなしです。

ツートップ時代

  • 大滝子さん&榛名由梨(1973年11月30日 – 1975年1月30日)

トップ娘役不在時代

  • 1950年-1965年頃
  • 2004年10月11日 – 2005年5月22日
  • 2008年7月7日 – 2009年12月27日

『トップ&準トップ』時代

  • 2012年7月-2013年3月

2012年に龍真咲さんがトップに就任した際には、明日海りおさんを『準トップスター』とする初めての肩書きが誕生し、ダブルトップでもなく、2番手でもなく、『準トップ』とは一体何なのか物議を醸しました。

客入りや相性などを実際に見てみるという実験的な意味合いが強いのだと思いますが、他劇団と違って格付けが明確な宝塚歌劇団での新しい試みは毎回ファンを驚かせます。

下級生時代から抜擢に次ぐ抜擢

新人公演主演は5回

2008年に94期生として入団し、入団時の成績は18番と、真ん中。

首席で音楽学校を卒業した生徒さんには当然注目が集まりますが、成績としては可もなく不可もなくといった珠城りょうさんは、研2での新人公演『ラストプレイ』では当時2番手だった霧矢大夢さんの役につき、早くもここから珠城さんの抜擢人生が始まっていくことになりました。

2010年に霧矢大夢さん主演の大劇場公演『スカーレット・ピンパーネル』では新人公演初主演となり、その後4回も主演を務めることとなります。

新人公演&バウ主演後すぐに2番手へ

バウ公演の初主演は2013年(研6)、一般的にはそこから4~5年にわたっていろいろな作品に出演しつつ、たくさんの上級生の背中を見ながら男役としての魅力を熟成させていくシーズンとなりますが、珠城さんは新人公演を卒業してすぐの研8でなんと2番手に昇格します。

前トップの龍真咲さんがトップに就任した2012年4月から2015年までは2番手という肩書きのスターさんは不在で、『準トップ』だった明日海りおさんが2013年に花組に異動してからは主に美弥るりかさんと凪七瑠海さんが龍真咲さんの右腕・左腕として活躍していました。

珠城さんは早くから注目されていた若手だったとはいえ、月組で活躍していたそのお2人を追い抜いての2番手昇格は本当にファンを驚かせました。なにより、ご本人がいちばん驚かれたことでしょう。

追い抜かれてしまったお2人のファンのショックはもちろん、上級生よりも格が上になってしまった珠城さんのやりにくさを心配する声などもたくさん聞かれました。

2014年には、これまでタカラジェンヌをイメージキャラクターとして起用したことのないダイキン工業が珠城さんをCMに大きく起用し、更にファンを驚かせました。

2番手→トップではないパターンもあった過去の人事

研8でスター路線の上級生を2人も追い抜いて2番手となった珠城さんに誰もが驚きましたが、だからといって順当に次期トップにスムーズに昇格するわけではないのが月組の人事。

これまでに、元雪組の彩吹真央さんは長い期間2番手としてトップを支え続けてきたにもかかわらず、トップに進めずに退団を促されるという前代未聞の事件がありました。

予測不能な人事の中、珠城さんの進退の行方は…?

100年以上の歴史がある宝塚の中では、いろいろなサプライズ人事がありました。

同じく少女歌劇団として人気を誇っていた松竹歌劇団(SKD)は1996年に解散となりましたが、その時代に見合った需要に合わせるため、いろいろな変化を採り入れていかなければ存続は簡単ではないということでしょう。

彩吹さんのような過去の事例もありますし、2番手のまま組替えになる可能性も考えられます。珠城さんが2番手に就任しても、予測不能な人事が多い月組ということで龍真咲さんの次にトップとなることが確約されたわけではありませんでした。

美弥さんファン・凪七さんファンをはじめ、月組ファン全員が龍真咲さんの後任の行方を見守っていましたが、ついに珠城さんのトップ就任が発表され、研9という異例の早さでトップスターとなることが明らかになりました。

抜擢が続く中でプレッシャーに負けず開花させた魅力

研3から早々に新人公演の主演、しかも大作『スカーレット・ピンパーネル』のパーシーを演じるというとんでもなく重いプレッシャーがのしかかってきたにもかかわららず、珠城さんは持ち前の安定した演技で好評を得ました。

新人ならではの危なっかしい「怖いもの知らず」なやんちゃな面もなく、それを「無難すぎる」とした声もあったようですが、大きなプレッシャーを抱えながら上級生たちを脇に据えて落ち着いた演技を見せました。

珠城りょうさんの人気を盤石にした『月雲の皇子』


研6で初主演したバウ作品『月雲の皇子』では慣れない日本の王朝モノながら、のちに再演となるほどの人気を博しました。

日本人の根底に流れる健気で強い想いをドラマチックに描き、宝塚ファンからいま強い支持を集める上田久美子先生のデビュー作であることや、ヒロインに演技派の咲妃みゆさんを迎えたこともあり、珠城りょうさんの人気を盤石にした公演となりました。

新人とは思えないほどの安定感・舞台度胸を見せて、次々に迫る大抜擢に応えていった珠城さんを見て、その『伸びしろ』に月組を託してみようと劇団側は考えたのかもしれません。

重圧に耐えるのもトップの仕事

ついに月組を背負って立つ立場となった珠城りょうさん。ご本人の本音としては、2番手時代をもっと経験して上級生から学ぶ機会が欲しかったかもしれませんが、ここからは更にシビアな現実と闘っていかなくてはなりません。

大劇場の客入りは人気バロメーター

特に、人気のバロメーターとして顕著なのが大劇場の客入りです。東京宝塚劇場は人が集まりやすい立地のためか、5組とも安定した客入りを確保できますが、大劇場、特に平日のチケットを完売にするのは容易なことではありません。

過去に客入りの悪さを理由に退団を促されたトップさんもいましたし、生徒さんとしても空席のある客席を見るのはつらいことと思います。

トップ就任=遠くない退団

トップとなったからには早くも退団へのカウントダウンが始まったということでもあります。トップから専科、理事にまでなった轟悠さんを除いては、基本的にトップさんは任期を終えて退団していきます。

近年でトップ在任期間が長かったのは和央ようかさんの6年。フレッシュさを絶やさずに相手役の花總まりさんと6年間も作品の主演を務めました。

和央さんと同じくらいの期間トップを務めても、珠城さんはまだ研15。それでも、6年という長い期間を飽きさせずにずっとトップとして月組を、宝塚を、けん引し続けるのは本当に大変なこととなるでしょう。

名実の伴うトップへ変貌する姿を見届けたい

努力では得ることのできない『スター性』という才能を持ち、男役としての恵まれた体格と芝居の勘、そして強い可能性を感じさせる伸びしろ。

それらを武器に、誰もが納得するトップスターへと変貌していく姿を、ファンも客席から一緒に体感していきたいですね。

まだトップスターとしてスタートラインに立ったばかりの珠城りょうさん。公演中の『グランドホテル』/『カルーセル輪舞曲』をまずは楽しんでみてください。

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