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憧れの涼風真世と同じ役に挑戦!月組2番手男役、セクシーフェアリー・美弥るりかの軌跡

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月組のセクシーフェアリー・美弥るりか


宝塚歌劇団月組の2番手でありセクシーフェアリーといえば、人気男役スターの美弥るりかさん。
大きな目と端正なルックス、透明感のあるフェアリーのような雰囲気と時折見せる色気のギャップがとても魅力的な実力派男役スターです。

美弥るりかさんは星組トップスターの紅ゆずるさんを中心としたユニット・紅5のメンバーとして組を超えた活躍もされています。紅5での担当カラーは黒、必殺技はパッチリとした切れ長アイをお持ちの美弥さんならではの流し目ビーム。

今回は、そんな美弥るりかさんが現在出演中の舞台『ザ・ミュージカル グランドホテル』で挑む大役へ向けた想いと、美弥るりかさんが新人だった頃から現在に至るまでの経歴をご紹介します!

『ザ・ミュージカル グランドホテル』では憧れの涼風真世と同じ役に挑戦!


『ザ・ミュージカル グランドホテル』はブロードウェイで上演された演目で、1993年に宝塚で初演されました。その際は、元月組トップスター・涼風真世さんが主演を務めました。

オットーは夢の世界である宝塚の数多くの演目からは想像できない、いつもカッコよくてキラキラの主人公とは一味違う役。歌のスターとして、トップスターとして、そして一舞台人として経験豊富な涼風真世さんだったからこそ好演できた役です。

そして今回、美弥るりかさんが『ザ・ミュージカルグランドホテル』で演じるのは、なんと、涼風真世さんが演じたオットー役!男役としても舞台人としてもまた魅力が増す、そんな難役に挑戦されます。

『ザ・ミュージカルグランドホテル』を観劇する前に知っておきたい美弥るりかさんの気持ち

美弥るりかさんといえば、涼風真世さんの大ファンで、涼風さんに憧れて宝塚歌劇団に入団した宝ジェンヌとしてファンに知られています。夢見る少女が憧れの人と同じ舞台に立ち、努力を惜しまず活躍の場を広げ今、憧れの人が演じた大役を演じるのです。

なんてドラマチックな実話なのでしょうか!これだけでも胸が熱くなります。
憧れの涼風真世さんと同じ役に挑むにあたり、美弥るりかさんは

“パンドラの箱を開けてしまったようで、素直に喜べなかったほどの特別な役”
“涼風さんが素晴らしすぎたので。自分のオットーを演じたくても、涼風さんのオットーが私の背中にピタッとくっついている感じがしていた”
(出典: 産経ニュースより)

と述べています。

美弥るりかさんにとって入団する前から深く思い出に残る役であると同時に、涼風真世さんのコピーになってはいけないという思いも強いようですね。

そんな美弥るりかさんは数多くの公演で様々な役を演じきってこられた方。元トップスターが演じた役に挑戦できる十分な実力を持っています!

今の月組に欠かせない実力派スターと呼ばれるまで


美弥るりかさんは今年で入団14年目を迎える89期生。同期生には現在ミュージカルを中心に活躍している元星組主演娘役・赤根那奈(在団時芸名:夢咲ねね)さん・花組トップスターの明日海りおさん・2016年大河ドラマ『真田丸』に出演された中島亜梨沙(在団時芸名:羽桜しずく)さんをはじめ、美弥さんと同じく実力派として知られる専科の凪七瑠海さん・雪組2番手男役・望海風斗さんなどがいます。

このように大変豪華なメンバーが揃っている中、美弥るりかさんは卒業当時、上から4番目という優秀な成績を修めて宝塚歌劇団に入団しました。(参考出典:2003年『宝塚おとめ』)入団当初から実力を備えていた美弥るりかさんですが、人気スターになるまでの道のりは決して短くはありませんでした。

自ら掴んだ最初のチャンス

美弥るりかさんが人気男役スターになるキッカケになったのは2008年宝塚バウホール公演『ANNA LARENINA(アンナ・カレーニナ)』のカレーニン役。

当時は入団して6年目、‟新人”という枠から飛び出していくタイミングだった美弥さんでしたが、大きく目立った結果を残す事ができずにいました。そんな時に『ANNA LARENINA(アンナ・カレーニナ)』という作品のオーデションがあり、「もし上手くいかなければ卒業も考える」という気持ちでカレーニン役のオーデションに挑戦。そして見事、希望した大役を射止めたのです。
ヒロインであるアンナ・カレーニナの夫という、物語において大変重要な役を熱演し、注目の若手スターの仲間入りを果たしました。

本公演での大抜擢と挑戦

その後、星組元主演男役の柚希礼音さんのお披露目公演である2009年『太王四神記 ver.Ⅱ』で、初めて本公演の主要キャスト・スジニ役に抜擢されます。男役が演じる女役であるスジニは、適度な女性らしさと強さを持ち合わせた役です。

フェアリー系男役としての魅力(中性的で美しいルックス、高すぎない身長、妖精のようなふわっとしたオーラを持つ男役)と若手男役スターらしい初々しさを兼ねそろえていただけでなく、カレーニンという大役で結果を出した美弥るりかさんだからこその抜擢だったのではないでしょうか。
男役として6年間舞台に立ち続けてきた美弥るりかさんにとって、女役を演じる事は複雑な挑戦だったようです。

‟「私は男役が好きで好きでここに入ったので、感覚的にはすごく不思議でした。最初はどうしていいか分からず、精神的にも肉体的にも苦しかった。日に日に痩せちゃうし(笑)」。大劇場でもらった最初の大役。舞台では生き生き演じ存在感を出していたが、美弥は人知れず闘っていたのだ。”
(出典: 日刊スポーツ『7年間の思いぶつける!!/美弥るりか』より)

美弥るりかさんは葛藤を抱えながらも魅力的にスジニを演じ、女役を演じた経験を生かして新たなステージへとステップアップします。

最初で最後の新人公演初主演、そしてさらなる飛躍

2010年星組公演『ハプスブルクの宝剣』の新人公演(入団7年目までの宝ジェンヌ達が本公演と同じ脚本で、本役と同じ衣装を身に付けて行う公演)主演に抜擢されます。

また、この時入団7年目だった美弥るりかさんにとっては最後の新人公演であり最初の主演。この場合、注目の「若手スター」としてではなく、1男役スターとしての実力が試されるのです。
例えば、現在、星組主演男役の紅ゆずるさんも最後の新人公演で初めて主役を演じた宝ジェンヌの一人です。紅ゆずるさんは新人公演で「若手スター」の枠組みを飛び抜けたお芝居で見る人を魅了し、その後「男役スター」として活躍の場を大きく広げていきました。

美弥さんも在団7年間で培ってきたキャリアを全て出し切ってさらなる活躍に繋げています。

‟みやるりちゃんだ(美弥るりか)
彼女、新公の様子をちょろっとスカステで見ましたが、それはすごく上手だと思った。
ハプスブルグの本公演の弟役も、いいって思った。”
(引用: タカラヅカにはきっといいことがあるより)

その後も大人の男性役や男子高校生役など、美弥さんは着実に芸の幅を広げていきました。
・2010年『リラの壁の囚人たち』 ギュンター役

‟ドイツ軍将校のギュンターはみやっち@美弥るりかさん。背も小さくて見た目は女性っぽいみやっちなのに・・・カッコイイ!!!なんだろう、動作のいちいちがキマッているのよー。いや、マリー。確かににっくきドイツ軍だけど、ギュンターでもいいんじゃん?と思うくらい、素敵なんだよー。”
(引用: お気楽たまこの観劇日記より)

・2011年『メイちゃんの執事』 柴田剣人役では歌唱力も評価され始めます。

‟みやるりは、はまり役という点でも、歌でも。
この作品で最も素晴らしかったかもしれない”
(引用: ばたこと宝塚と子育てと。より)
‟メイの同級生にして、理人の弟。メイを愛しているが、メイは全然相手にしていない。そんな微妙なキャラを、それでも美しくかっこよく演じていた。学ラン似合いすぎだから!”
‟彼女の歌唱力に作品全体が救われたような気がする。”
(引用: 健全な夜のお楽しみを求めてより)

星から月へ。セクシー男役という個性が輝きだす


2012年4月1日をもって星組から月組へ組替えした美弥るりかさん。
若手時代はフェアリー系男役として注目されてきましたが、最近はインターネット上でもファンの間でセクシーな男役スターとして人気です。


人気男役スターとして組替え当初からメインキャストとして舞台に立っていた美弥るりかさんは、若手時代に培ってきた芸の幅広さを発揮して月組公演を彩ってきました。その中でも大変印象深い役といえば『1789-バスティーユの恋人たち‐』のアルトワ伯役。妖艶な悪役という美弥るりかさんの醸し出す色気にマッチした役で、ファンはもちろんですが、そうでなくとも魅了されるハマり役でした。

‟『1789』にはところどころコミカルな場面もありますが
アルトワは最初から最後まで黒い役でした。
みやるりの醸し出す得体の知れない雰囲気が素晴らしくて
観ながらドキドキしてしまいました。”
(引用: ヅカメモより)
”まずビジュアルからして怪しい(妖しいとも言う)。いかにもです。絶対良からぬこと考えている顔しています。実際良からぬことばかりしています。”
‟そして何より色気が半端ないです。色気色気色気。さすがみやちゃん”
(引用: Luminous Taleより)

実力派2番手としての存在


全くテイストが異なる役を華麗に演じ分ける事ができる役者でスター、フェアリー系男役ならではの愛らしさと彼女特有の色気を持つ美弥るりかさん。
確かな実力と美弥さんならではの魅力でまだまだ人気を集めています。


入団9年目という早さでトップスターとなる珠城りょうさんと一緒に、新しい月組を作っていく2番手スターとして月組になくてはならない存在です。

華麗なる宝塚歌劇団、新生月組公演を観に行こう!


ご紹介した美弥るりかさんのオットー役への意気込み、そして男役として積み重ねてきた幅広いキャリアの数々から、実際に美弥るりかさんの舞台を観てみたいと思った方もいらっしゃるのではないでしょうか。

美弥るりかさん出演作品『ザ・ミュージカル グランドホテル』『レヴューロマン カルーセル論舞曲(ロンド)』は3月26日まで上演されてます。是非皆様一度劇場に足を運んで観劇して頂きたいと思います。

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